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Hotel

大自然に癒される

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

【奥入瀬渓流ホテル】渓流側外観(冬).jpg

ホテル外観

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は、青森県の十和田八幡平国立公園内、奥入瀬渓流沿いに佇む唯一のリゾートホテルだ。訪れたのは3月。冬の寒さが厳しい奥入瀬渓流沿いには積雪が残り、辺り一面が雪景色であったが、到着した日は春のような暖かい日差しで、穏やかな天候だった。

 

青森県の秘境だった十和田湖や奥入瀬渓流を日本全国に広めた人物がいる。1908年、雑誌「太陽」の編集長・鳥谷部春汀氏が旅行作家の大町桂月氏を誘い、十和田湖と奥入瀬渓流を訪れて紀行文を発表した。それがきっかけとなり、この一帯が絶景スポットとして全国に知られるようになった。大町桂月氏は「山は富士、湖水は十和田、渓流は奥入瀬」と紀行文に綴っていたという。この記事は、大正天皇(当時は皇太子)から青森県知事に問い合わせがあった程の影響力だったそうだ。後に、青森県知事が実際に十和田湖と奥入瀬渓流を視察に行き、奥入瀬渓流の美しい自然を守ろうと考えたことで、国立公園化に向けて話が進められ、現在は国立公園に指定されている。100年以上の歳月を経ても、奥入瀬渓流の自然の豊かさや人の手を加えていない美観はそのままの状態で保たれている。

【奥入瀬渓流ホテル】ロビー 森の神話 (春夏).jpg

ロビー「森の神話」

ホテルエントランスでは、コロナ対策として手のアルコール消毒と検温を徹底している。星野リゾートのコロナ対策は評価が高く、ホテル内にコロナを持ち込まない、拡散しないをモットーに館内の換気、部屋の湿度管理、各部屋にアルコール消毒液などを常備している。レストランにはアルコール消毒、マスクケースなど用意されているが、対策はそれだけでなく、室内の二酸化炭素濃度の数値も目視できるなど感染症対策は最高水準である。そのため、感染するかどうかを必要以上に気にすることなく滞在を楽しめるのが嬉しい。また、ゲストはマナーのある方ばかりで、館内移動はマスク着用というルールもゲスト全員が守っていて安心感につながった。

館内に入ると目の前に巨大な暖炉が見える。この暖炉は、芸術家の岡本太郎氏が手がけたもので、奥入瀬の森をイメージして作られた大暖炉「森の神話」である。森に暮らす鳥やきのこ、森の妖精が描かれている。このホテルには岡本太郎氏の大暖炉が2作品ある。もう一つの大暖炉「河神」は、岡本太郎氏の遺作で、ラウンジにある。この作品は、奥入瀬渓流の水しぶきが水の妖精(ニンフ)に変わる様子を表現している。7体の妖精がいる中で、1体だけ女性の妖精がいて、岡本太郎氏の養女であり妻だった岡本敏子氏がこの妖精のモデルだと言われている。

星野リゾートの前身であったホテルオーナーが岡本太郎氏と仲が良く、岡本太郎氏に奥入瀬渓流に実際に滞在してもらい、奥入瀬の自然をテーマに創作してもらったのだという。

ロビーにある「森の神話」はブロンズ製で、ラウンジにある「河神」はアルミ合金製で、色合いや材質が異なる巨大暖炉は、ひときわ目立つ存在である。実は岡本太郎氏の作品のレプリカ、「太郎カッパ神像」もある。

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1991年に制作された「森の神話」

​岡本太郎のサインもある

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1996年に制作され遺作となった「河神」

客室は全187室で、部屋タイプは和テイストの渓流和室、なごみ和室、半露天風呂付客室、露天風呂テラス付客室、特別室と、西洋スタイルのモダンルーム、ツインルーム、ペットルームと8種類ある。今回宿泊した「渓流和室 露天風呂テラス付」は、68m”のゆったりとした室内に、テラスには露天風呂がある贅沢な造り。ベッドとソファーは入口付近よりも一段高い所にあり、段差があることで空間にメリハリができている。さらに、ソファーのある部分は畳敷きになっていて、まるで家でくつろいでいるような気分になる。ソファーは窓に向かって設置されているので、奥入瀬渓流や大自然を眺めながらコーヒータイムを満喫した。露天風呂のあるテラスでは、渓流のせせらぎをBGMに温泉に浸かることができる。

青森県は季節がはっきりとしているため、シーズンごとに訪れるゲストもいるという。スタッフおすすめのベストシーズンは5月~6月の新緑の季節だそうだ。私の滞在した3月は雪解けシーズンで、降り積もった雪の合間から岩や石に生息している苔が少しづつ顔を見せ始めていて、冬と春の境目を感じる時期だった。

【奥入瀬渓流ホテル】渓流和室 露天風呂テラス付 (春).jpg

露天風呂テラス付き客室

客室の泉質は単純泉。源泉は猿倉温泉の混合泉

この時期の奥入瀬渓流の風物詩に氷瀑(氷結した滝)がある。ホテル内の渓流露天風呂の壁には迫力ある分厚い氷瀑があり、間近で見ることができる。今年の冬は寒さが厳しかったとのことで1月、2月にはもっと迫力のある氷瀑を見られたのだそう。温泉の泉質は、単純泉。源泉は猿倉温泉の混合泉で、神経痛や筋肉痛などに効果があると言われている。

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ホテル内の渓流露天風呂の壁面にできた氷瀑

星野リゾートのホテルは、アクティビティが充実している。こちらのホテルのアクティビティも、1泊2日では全てを体験できないほどの充実ぶり。まずは、毎晩20時からスタートする奥入瀬渓流の歴史や奥入瀬渓流に生息する苔について学ぶ「森の学校」がある。十和田湖の水域が決壊して奥入瀬渓流ができたことなどをスライドを見ながら解説を聞く。翌日の渓流散策の予習にもなるため、夕飯を早めに済ませてこのレクチャーを受けることをオススメする。

朝食時間が終わった頃にスタートする「苔玉作り」や「奥入瀬ランプ制作体験」もある。

私はひょうたんを使った「奥入瀬ランプ制作体験」のクラスに参加した。

日本では昔からひょうたんは開運アイテムとして知られている。豊臣秀吉は馬印(戦場で掲げた旗の先につけた印)を「ひょうたん」にしていたと言われている。

まず、3種類のサイズ、様々な形のひょうたんから好きなものを選び、先生の説明を聞いた後、ひょうたんの表面に無我夢中で細かい穴を開けて1時間後にランプシェードが完成した。

昔から縁起物として人気のひょうたんでランプ作りをしてみてはいかがだろうか。

苔玉も奥入瀬ランプ作りもすぐに満席になる人気クラスなので、早めに予約しよう。

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奥入瀬ランプ制作体験

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苔玉作り

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奥入瀬渓流は苔の三大聖地

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奥入瀬渓流には300種類以上の苔が生息する

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奥入瀬渓流の自然を満喫したい人には、「ネイチャーツアー」も豊富だ。奥入瀬渓流の見所をガイドとともに散策する。3月は雪が積もっているので、雪道を歩くときはスノーシューを履いて渓流沿いを歩いた。

日本の苔の三大聖地である奥入瀬には300種類以上の苔が生息している。散策途中に苔をルーペで見たり、苔の名前を教わったり、苔に触れたりと苔を見続けていることで苔に魅了され、苔玉作りクラスにも参加したかったと思うほど。また、渓流沿いは雪に覆われていたので雪のないシーズンでは歩けないような場所にも行け、渓流のすぐそばにも近寄れるのがこの時期の魅力なのかもしれない。ツアーでは十和田湖の水域が決壊して奥入瀬渓流ができた場所も見学した。

奥入瀬は真冬は渓流沿いにある滝が凍り氷瀑ができ、苔たちも雪の下で生息している。5月、6月は新緑の森に包まれる渓流沿いを散歩できて、森林浴に良い季節。7月~9月は避暑地として。10月、11月は紅葉を楽しめる。季節ごとの楽しみ方があるので、何度でも訪れたいと感じる場所だ。

渓流の音や鳥のさえずりを聞きながらテラスでの入浴、苔ウォッチングや散策などでリフレッシュできる星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルはオススメのリゾートホテルだ。

ホテル内のレストランは次回に続く。

 

 

「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

住所:青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231

星野リゾート予約センター:

0570ー073ー022

www.oirase-keiryuu.jp/

text by : 川合由希子

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